No 12 2009年6-8月 日本最西端への航海

2004年に遠距離航海訓練のために沖縄往復の航海を行ったが、その際には沖縄本島より南には行かなかったので今回は石垣島を目指し、さらに日本の最西端となる与那国島に達する航海を行った。

遠距離航海訓練を始めてから今年で5年経過し航海距離の累計は9140マイルに達した。

 

2009年7月22日にはトカラ列島で皆既日食が見られることになっていたので出来れば見たいと思っていたが日程が合わず叶わなかった。

ハードドジャー

今回の航海に先立ち、木製の骨組みに住宅用のアルミサッシを前方および左右の三箇所に取り付けたハードドジャーを自作した。見てくれは良くないが必要なときにはサッシを開閉することで風を通すことが出来るので非常に具合が良い。航海中はドジャー内に座椅子を置き座って過ごすことが出来るので体がずいぶんと楽になった、これまでドジャー無しでよくやってきたものだと我ながら感心している。

航海計器もドジャー内にまとめて設置している。


中之島

トカラ列島の中之島は初めて寄港であった、立派な岸壁が完成していた,皆既日食の観測歓迎の図が防波堤に描かれていた。

この岸壁を出たところに温泉があるので大変ありがたい、料金は無料であるが感謝の気持ちで寄付しておいた。

寄港中にこの島の南に位置する諏訪之瀬の火山活動が活発となり、火山灰が降ってきた。

真新しい岸壁

温泉



デッキの上に積もった火山灰

諏訪之瀬島の噴煙


古仁屋 海の駅


奄美大島の古仁屋は往路、復路ともに寄港した、前回の沖縄航海時も立ち寄っているので馴染みの所である。ここでは何時も海工房夢丸の葛西さんのお世話になる。

 

復路の寄港時には台風8・9号をやり過ごすために10日間の滞在となった、この間にレンタカーで加計呂麻島と大島本島を回った。

 

加計呂麻島の海岸美は日本一と言われているが本当だと思う、素晴らしいところである。。

 

大島ではマングローブの保護区を訪れた、この地がマングローブが生育する北限であるそうだ。


加計呂麻島の北端 実久(さねく)海岸

奄美大島のマングローブの林 潮が満ちると海中の林となる

加計呂麻島のすり浜

古仁屋みなと祭りふな漕ぎ競争(8月9日)


糸満フィシャリーナ

石垣島へ出発するために宜野湾から糸満に移動した。

糸満フィシャリーナは町まで少し遠いがこじんまりとした良い港である。

 

糸満では自転車でひめゆりの塔に参拝してきた。

糸満フィシャリーナ

糸満フィシャリーナのすぐ隣にある美々ビーチ


ひめゆりの塔

喜屋武(きやん)岬からの風景


石垣島

7月15日08:00に糸満を出発、太平洋高気圧の周辺に覆われていて南方に低気圧の無いことを天気図で確認、。期待通り南の風を受けて今回の航海で最高の走りが出来た、17日の00:00に石垣島の北端に取り付く、夜明けを待って石垣港を目指し、10:00に八重山ヨットクラブのポンツーンに着岸した。寄港する先々で地元のヨット関係者に大変お世話になる、今回も八重山ヨットクラブの皆さんに親切にしていただき感謝している。

着岸して見ると、台風6号がフィリピンの北付近で発生したとのこと、場合によっては1日で石垣島まで来るかも知れないということで肝を冷やした。幸い6号は北西に進み台湾の南を通り大陸へ抜けていったが台風対策を行うことも考えられ緊張した一両日を過ごした。

石垣港、八重山ヨットクラブのポンツーンにに繋留

石垣島を訪れるヨット乗りが必ずお世話になるCAFE TANIFAの栗原ご夫妻

八重山ヨットクラブのポンツーン入り口

海の日には八重山ヨットクラブが体験クルージングを行い祭りを盛り上げていた。


波照間島

日本の最南端である波照間島には石垣港から高速船で日帰りした。

石垣港から波照間島に行くには西表島を北側に大きく迂回するか、西表島の南側に在るさんご礁を抜ける最短のルートがある。高速船はさんご礁を縫うようにして走っている、その通路の幅は狭くてシングルハンドで初めて通るのは危険だと判断しヨットで訪れるのは断念した。

 

島ではバイクをレンタルして見学したが一時間もあれば全てを見ることができる。

最南端の碑がある地から南を望む


最南端の碑


与那国島

石垣港を7月22日06:30に出港し与那国島を目指した、与那国島東崎(あがりざき)を通過した時点で日没となり、入港を諦め24°28.638’N 123°00.18’の地点で錨泊した、そこは祖納港(そない)の沖合いであった。夜明けとともに動きだし23日08:00に久部良港(くべら)に入港した。

日本最西端の碑

久部良港全景 港の入り口は手前側にあり、Tさんの計らいで左奥の船溜まりに繋留させてもらった


久部良港停泊状況

立神岩、その先に見える岬の沖合いに海中遺跡がある

日本最西端の碑

 

 

与那国の海底遺跡には非常に興味があり是非とも見てみたいと思っていた。しかい滞在中は南風が強く遺跡のある所の波の状況が悪く、一度観光船で向かったが転覆しそうになり引き換えし、望みを達することができなかった、残念であった。

 

7月26日15:00宜野湾港マリーナを目指して出港し与那国島を後にして帰路に着いた。

 

 

2010年はもう一度石垣島を訪れ、台琉友好親善国際ヨットレース(4月29日~5月5日)に参加して台湾を訪れたいたいと考えている。

東崎灯台

馬が放牧されていて、牧場の中を一般道路が走っている。

西崎(いりざき)灯台 日本最西端の灯台である

西崎(いりざき)